目下、寝込んでいる私だ。

いつもなら体調がいまいちでも、ベッドに横になってさえいれば、自然と回復。

ところが、である。

どうしたわけか、いつまでたっても疲れがとれない。

湿度の高いジメジメが続いているせいかなあ、と思ったが……。

そうではない。

那須は一応、高原。避暑地でもある。天気予報が「雨」でも、そんなに降り続

くことはなく、空気は乾いていて、おおむね爽やかだ。

で、ついに悟った。

「お天気のせいではない。ワタシは年甲斐もなく、過剰で過酷なことをして、

ついに疲労困憊してしまっているのだ……」と。

思えば、先月の初めに高山に出掛け、戻ってきて、今度は福島に出掛けた。

高山も福島も、東京から移住してきて「みとりえ那須」を立ち上げたヤマダさんと

そのパートナーのサイトウさんに誘われた。

「一緒に行く?」と訊かれたとたん、

つい「行きた~い」と私は叫んでしまっていたのだ。

かれらは、これまでキャンピングカーに介護用の檜風呂を積んで、全国を売り歩いていたつわものたちだ。

そんな彼らのキャンピングカーに同乗できるなんて、またとない機会ではないか。

私は、わが身のことを振り返る余裕もなく、つい車に乗り込んでしまったのだった。

それに、高山へは椅子を買いに行く、というのが魅力だった。

そう、私も、ぜひにも高山の椅子を買いに行きたかった。

なにしろ、「みとりえ那須」にある小柄なおばあさん用の椅子が、なんとも座り心地がいい。

これまでは、椅子に自分を合わせてきたけれど、

世の中には自分にぴったり合う椅子もあるのだと、気づいてしまったのだ

その椅子を自分の部屋に置いて、仕事の椅子にしたら、きっと仕事力がアップするに違いないと。

でも、高山は思った以上に遠く、椅子工房を主宰する知人の家に着いたのはすでに夕暮。

それからみんなで楽しく飲んで、一泊。

翌日は、椅子工房を見学に行った。

そこで念願のお気に入りの椅子を買って、高山から戻った後、

今度は福島の知人が立ち上げた古民家のデイサービスを見学に出かけることになったのだ。

こちらは、遠くはない。

けれど途中、山奥の秘湯などに立ち寄ったり、ラベンダー摘みをしたり、御当地ラーメンを食したり……。

宿泊先のデイサービスでは餃子を100個作るのを手伝い、

翌日、近くの畑でジャガイモ堀りまで体験して帰ってきた。

思えば、いろんなことをし過ぎて、疲労困憊しても当たり前だった。

しかもなにを隠そう、私は、すでに今年「後期高齢者」に突入しているのだ。

高齢者ばかりで常に暮らしていると、その自覚を失う。

自分が高齢者であることを忘れてしまうのね、ということを肝に銘じ、

今後は自重に自重を重ね、日々を穏やかに暮らそうと思う。