新年を迎えて、気持ち新たに前向きに暮らしていきたいと思う。
でも、先の見えない日々がまだまだ続いていくらしいし……。
誰もかれもが、闇雲にやっていくしかない状況のようだ。
しかも、世界中の人々が等しく同じ思いを抱えて今を生きているということで、
これまでにはなかった時代の幕開けだと思う。
世界がグローバル化して、どこに行っても「マクドナルドのハンバーガー」があったり、
「トヨタ車」が走っていたりするのってどういうこと?
なんて思っていたら、次に来たのがこのまさかのパンデミックだった。
この新型のコロナウイルスときたら、2年が経過した今も果てしなく世界中へと広がっていく…。
これって世界のありようが根底から変わっていくというスリリングな状況に、
私たちは偶然生まれ、偶然立ち合ってしまっている、ということかも?
ならばしっかりと、この事態の行方を、その後の世界の変化を、真摯に見届けよう、
なあんて大きなことを思いながら、私は真っ白な雪に覆われた元旦の那須連邦に手を合わせたのだった。
けれど、けれど……である。
気持ちのちっちゃい私としては、もう、うんざり。
新型コロナウイルスのことなんか全然考えないで、
好き勝手に自由にどこにでも行って自己中心を貫きたい、とだんだん堪忍袋の緒が切れそうになってきた。
おかげで年明け半ばから、次第に気分が欝々としてきて、
今やその気分が上がったり、下がったり、実に不安定な状況に至っている。
しかも、今年の冬の寒さったらないのだ。
寒波が来た! と思ったら、この波が雪を伴い、
際限なく降り続き、駐車場に置いた私の車のフロントガラスは凍りついた。
屋根には思いがけないほど雪も積もり、それをスコップで降ろすのにひと苦労だった。
なにしろ、荷物を運ぶためのワゴン車なもので、屋根が高くて私には見えない。
雪かき用のスコップを振り回したり、柄の長い竹ぼうきで闇雲に雪を払ったり。
へろへろになってハウスに戻ったところが、なんとペレットストーブが大不調。
今まで暑いくらいに炎が燃え盛って、身も心も癒やしてくれていたというのに、
こちらの気分同様に一向に燃えあがらない。
自力でなんとかしようと悪戦苦闘したものの、結局は無駄に終わってギブアップ。
プロになんとかしてもらおうと焦るも、ストーブ屋さんはどこも休業中とのこと。
致し方なく、毛布にくるまってしのぎつつ、北国育ちの私としては
「子どもの頃は、こんなこと年中だったよねえ」と追憶に浸るしかない。
思えば、久しく忘れていた正真正銘の本気の冬に出合ったのね、と寿ぐべきことだと思っても、
寒いとか暑いとか、そういう些細なことになんと軟弱になってしまった私なのだろうと、情けない思いだった。
そんなさ中。
発行されたはずの3回目ワクチンの接種券が届かないという状況にもなり、
次々と起きる小事が、だんだん大事に至っていくような気配なのだ。
そんなわけで、もっとしっかりして生きていかなければと思って庭に出てあたりを見まわせば、
「あなたの小事など無縁です」というように、雪一色に染まった冬の光景は、あまりにも美しいのだった。