サ高住のハウスのご近所にひょんなことで借りてしまった「原っぱ」。
そこで、なにげなく「原っぱ」プロジェクトなるものを立ち上げたら、
とんでもないことになっている!
ここに野外劇場を作るとか、クローバーを敷き詰めて舞台にしたい、
などと言い出してみたら、どんどんおおごとになっていくのだ。
とりあえず、アマゾンの通販でクローバーのお徳用種1リットルを購入し、
「ただ、そこら中にばらまけばいいんだから」と言ったのに誰も賛成しない。
「踏まれても踏まれても負けずに出てくる強い雑草なんだから、
それでいいのよ」と繰り返したのに、誰も耳を貸さない。
あれよあれよというまに「原っぱ」は野焼きされ、耕運機で耕され、
牛糞肥料が施された(牧場だらけの那須にはいっぱい牛がいるのです)。
種蒔き日には、なんだ、なんだと人も集まってきた。
しかも、そのいちいちが動画にとられ、ユーチューブにアップされ……。
というのも、新入居者の中にたまたまタロウさんと言う人がいて、
高齢にもかかわらず、そういうことがとても得意な人だったのだ。
「ある女性の夢を実現するために…」なんてテロップなんか入れちゃって、
本人が「夢じゃない、夢じゃない、ただの思い付き」と言い張ったのに、
聞く耳を持たない。
そうこうしているうちに梅雨入りしてしまい、
今年の恵まれすぎの雨と肥料のおかげでクローバーの芽はぐんぐんと
驚くべき速さで伸びていき、放置していたら、他の雑草と入り混じって、
「原っぱの舞台って、どこ?」という状況に。
それで、私はいたしかたなくまたもやアマゾンの通販で
「女性でも楽に刈れる草刈機」と検索して、マキタの草刈機を買った。
「原っぱ」には電気がないから充電式の草刈機。
これが、なんとも素敵。
草を刈るスピードが半端じゃない。
たちまち草刈りにハマった私は、雨が降ったり、やんだりの合間を縫って、
「原っぱ」に出掛けては、せっせと草刈りをしている。
とくにクローバーは、
「伸びたら刈る」「伸びたら刈る」を丁寧に繰り返さねばならない。
言い出しっぺとしては、ここはなんとしても、
小さなクローバーが密に生えそろった、みんながう~んと唸るような
美しい草地に仕上げねばならないとの使命感に燃えているのだ。
そこに小さなガーデンハウスを二つ建てて、ウッドデッキも作って、
ガーディナーたちにいろんな花を植えてもらい、
土手はブルーベリーの菜園に……。
それよりもなによりも野外劇場なんだから、上演台本が必要だわね、
と思っていたら、スタッフの一人が「原っぱ」をテーマにした台本まで
書いてくれた。
ついには、ハウス内にシニア人形劇団も立ち上がった。
そんなわけで「ステイホーム」のまもなく、抜き差しならなくなるばかり。
どうしてこうなっちゃうんだろう……と、いまさら焦ってももう遅い。
前に向かって進むしかない。
でも、こんな日々を何歳まで続けるんだろうと思う。