「あれ、やった?」
「あっ、まだやっていない。いつ提出だっけ?」
そんな学生時代みたいな会話を交わしながら、
あいかわらずサ高住仲間と二人でヘルパー学校に通い続けている。
その彼女は私の3歳下。かろうじてのまだ60代。
ま、学校といっても、私たちが通うのは週1回。
これを4カ月続けて試験に合格すれば、
従来のヘルパー二級程度の資格が取れることになっている。
ただ、過疎地なもので車を運転して遠くまで行かねばならないし、
15分前に席についていないと、欠席扱いで補講を受けねばならないし。
ともかく、午前9時から夕方5時近くまで、
6~7時間も講義を受けて帰ってくるとヘロヘロになる。
ほかにも現場実習もあるし、宿題もあるし、いろんな提出物もあって、
自分であれこれ勉強せねばならない仕組みになっている。
毎週、相棒と二人で「やっと半分来たね」とか「あと1カ月ね」とか言って
励まし合って通い続けている。
思いのほか、介護ヘルパーの資格を得るには、根気と自覚と努力が必要。
しかも、実習試験もあるよ、筆記試験もあるよ、これをクリアしないと
資格あげないよ、という感じでカリキュラムが進んでいくので、
ワクワクよりヒヤヒヤしながら学んでいる。
正直いって、私は久し振りの勉強について行けず、
頭の方の老化問題の深刻さにめげそうな気分でいる。
厚生省も、なかなかやるじゃないの、とため息が出る。
食堂で、ご飯を食べていたらこんなことを言う人もいた。
「私はね、お世話をされるのは大好きなんだけど、
お世話するのは嫌いなタイプなの」。
「う~ん、私も、実はそうなんですう」と言いつつ、
どんどん自信を喪失しているところだ。
先日は、オムツ実習まであった。
「あなたはM、こっちはLかなあ」なんて学校で先生に言われて、
一人一人に紙オムツを渡されたのだ。
次週までに、自分でオムツをして排尿して2時間それで過ごす、
という体験をして感想を提出、
それをもとに受講生でディスカッションをするのだとか。
ええっ、とびっくりしたら、なんとこれは初任者研修の必須実習とか。
この紙オムツ体験は、施設で働く介護士さんにも年に一度、
義務化されているのだそうだ(実施するところは少ないそうだが…)
先生曰く「なかなか排尿ができず膀胱炎になってしまう人もいるから、
どうしてもできない人は、水で代用してもいいよ」と。
ところがこの宿題だけは、私はへっちゃら、べつになんてこともなかった。
母の介護を長年していた私は、何度か母の気持ちを知るために、
経験済みであったのだ。
相棒は「これ、私、ムリ、気持ち悪くてどこにも座れなくて、2時間ずっと立っていた…」
のだそうだ。
ま、「あら、こんなのなんでもないわよ」と自慢するほどのことではないけれど。
今月末に無事終了して資格が取れていたらいいなあ、と願っている。