まだ生後3カ月なのに歯が生えてきました。異常でしょうか…?(32歳主婦/3カ月女児)

 

初めて生えてくる乳歯はほとんどが下の前歯、下顎乳中切歯です。

日本小児歯科学会が行った全国調査では、

日本人女児の下顎乳中切歯の萌出時期は生後9カ月+−1カ月となっています。

ちなみに男児は8か月+−1カ月です。

先天(性)歯といって、出生時すでに生えている、

あるいは生後2〜3日で生えてくることもあれば、

1歳過ぎにやっと生えてくるお子さんもいます。

調査結果の数値は、これらを含めた平均値です。

ご質問のお子さんですが、早すぎることはありません。

先天歯のような場合は、歯のエナメル質・象牙質が

顎の骨の中で石灰化する期間が短すぎるため形成不全歯であったり、

歯根の成長が未熟なためグラグラしていることがありますが、

生後3カ月で生えてきた歯であればそのようなこともないはずです。

ただ、授乳期の赤ちゃんに歯が生えてくると、

急におっぱいを飲まなくなることがあります。

リガ・フェーデ病といって、

下顎乳中切歯の先端に赤ちゃんの舌下面がこすれて、

そこに潰瘍を形成することがあるのです。

また、お母さんの乳首が傷つくこともあります。

このようなときは、歯の先端をほんのわずかに研磨するだけで治ることが多いので、

お気軽に小児歯科専門医にご相談ください。

★回答者……

ポプラH150歯科医師/高林周平先生

1953年東京都生まれ。1979年、北海道大学歯学部卒業。
北海道大学歯学部小児歯科学講座入局。1984年、新松戸
で「小児歯科ポプラ診療室」を開業。日本小児歯科学会認
定小児歯科専門医。