息子はこだわりが強く、いつも同じ服を着たがります。別の服だと外出を嫌がり、気に入った服を洗濯すると怒ります。いろいろ話しても聞き入れてくれません。毎日着る服のことで私の方が精神的にくたくたになってしまいます。親としてどのように対応すればよいのでしょうか。(43歳主婦/5歳男児)

子どもの要求をどこまで受け入れたらいいのかは、

どこの親も悩み葛藤していることでしょう。

子どもの話を聞き入れることと、わがままに育てることとはまったく違います。

子どものいろいろな「こだわり」は、

大人にとっては面倒だったり、厄介だったりするものですが、

これも一つの個性です。

わが子のそういったことをまず聞き入れ、受け止めてあげて、

焦らずに子どものペースを見守る中で徐々に考えを柔軟育むことが大切です。

子どもは「○○したいのね」「そんなふうに思っているのね」という親の言葉から、

「親が自分の話を受け入れてくれている」と感じ取ります。

同じ服ばかりを選ぶからといって、

その服を子どもが目につかない場所に隠すのは逆効果です。

イライラした表情を子どもに見せずに、

「それもいいけど、こっちもかわいいよ!」とおだててみましょう。

最初は自分の好みを主張していても、

おだてられると悪い気はしないので、子どもも少しずつ変化してきます。

近所の人に協力してもらってほめてもらうと、

「パパとママだけが言ってるんじゃない」ということが実感できて、

素直に話を聞いてくれるでしょう。

子ども専用の引き出しを一つ決めて、その中に1週間分の季節に合う着替えを入れ、

本人に選ばせるのもいい方法です。

「こだわり」は子どもにとって

「大人に分かってほしい」という自己主張の一つです。

こだわりを見せるのは、甘えられる親だから安心して自己表現をしているので、

その子の表現力を伸ばすチャンスでもあります。

そのこだわりを無理につぶそうとすると、

こだわりを止められる悔しさや理解されていないという悔しさが生じます。

お子さんのこだわりを受け止めつつ、

親の思いを子どもに理解できるようにわかりやすく伝えながら

妥協点を見つけていきましょう。

お子さんが主義・主張を言えることを前向きにとらえて、

親子でお互いの気持ちを伝え合い、理解し合って

子どもの自立を育てていくことが大切です。

ママは大変でしょうが、できるだけ長い目でみて育みましょう。

★回答者……

寺田さん

社会福祉法人東進 理事長・グローバリーキッズ園長/寺田悦子先生


平成2008年社会福祉法人東進設立。平成2009年グローバリーキッズ(高塚新田)、平成2011年東進ポップキッズ(新松戸駅前)開園。今年9月東進ポップキッズ大塚キャンパス開園予定。