私の主宰する学習教室は、どんぐり倶楽部の理論と学習方法を取り入れています。
その中に「言葉のトリガー理論」というものがあるのでご紹介します。
簡単に言うと、私たちは「言葉(音声)」を使って会話をします。
本も「言葉(文字)」が中心です。
しかし、会話をしている時も本を読んでいる時も、
私たちは「言葉(音声・文字)」で考えているわけではありません。
頭の中では視覚イメージで考えているのです。
言葉はイメージ再現をするための、きっかけなのです。
つまり、「言葉はイメージを導くための引き金(トリガー)である」
ということです。私たちが言葉で考えていると感じるのは、
言葉からイメージを再現する変換速度が速いからなのです。
*もっと詳しく知りたい方はどんぐり倶楽部のHPで確認ください。
私には3歳の息子(三男)がいますが、まだ文字は読めません。
「あ・い・う・え・お」も認識できません。
でも会話で意志の疎通はできます。
「あめ たべる?」と聞くと「うん たべる」と返事をします。
「あめ」という「言葉」を聞いて瞬時に頭の中で「飴」が再現されて、
「たべる?」で、
その「飴」を口の中に入れているところまでイメージしたから通じるんですね。
決して「あめ」「飴」の文字が浮かんでいるわけではないのです。
だって知りませんから(笑)
この理論を知っていると、子どもの教育が変わってきます。
すらすら音読できても、
言葉からイメージできなければただの発声練習です。
イメージできない「四字熟語」や「諺」「熟語」をいくら詰め込んでも身につきません。
計算(基礎問題)をいくらやっても応用問題(文章問題)は解けるようになりません。
言葉を知っていても、イメージできなければ「わかっていない」ので、
考えることができないのですから。
目で視て考える
お寿司大好きクッパ君が、ビックリ仰天寿司でジャンボお稲荷さん3つとビッグ太巻き2本を食べたら体重がおにぎり17個分増えました。弟はジャンボお稲荷さん2つとビッグ太巻き2本を食べたら体重がおにぎり14個分増えました。
ビッグ太巻き1本はおにぎり何個分だと思いますか。
こういう小学1年生向けの問題があります。
「えっ? 中1の間違いじゃないの?」
いいえ、小学1年生にチャレンジさせる問題です。
もちろん、解き方は教えません。
ヒントなしで、自分で絵を描いて答えを探します。
解けなくても、力をつけるための問題です。
学校で習うとすると中学2年生の連立方程式で次のように解きます。
3X + 2Y =17
2X + 2Y =14
X=3
⇒6 + 2Y =14
2Y =8
Y =4
当然やり方を教えないとできません。
計算方法だけなら訓練すれば低学年でもできるようになりますが、
立式からとなると、できるようにするのはかなり困難です。
でも、習っていない低学年でも目で見て考えれば解けるのです。
以下は、かなり簡略化した図式です。
そして、 実際に私の次男が解いたのが以下の絵です。
赤い字は私が書き込んだ部分なので、鉛筆の部分が自分で描いた絵です。
その絵を見ながら、指を折って数えながら解きました。
もし海苔巻のイメージが頭になかったら、
その日の夕ご飯は手巻き寿司になっていたことでしょう(笑)
小学校では、「絵を描かないで式をたてなさい」、
「指を使わないで頭で計算しなさい」という指導をする先生が多いようです。
残念ながら間違った指導です。
頭の中でイメージできる子供なら良いのですが、そういう子供は多くありません。
その指導では「わからない」「考えられない」子が増えるのは当然のことなのです。