うちの子は怖いもの知らずです。

1歳になりたての頃、保育園の遠足で動物園に行ったとき

自分の体の5倍はあろうかという羊の体に飛びついたときは、

保育士さんも、飼育員さんも、もちろん僕も大変おどろきました。

おとなしい羊さんだったため、

「めぇ」とつぶやいて座ったままだったのでよかったです。

これがライオンや虎や狼だったら、と思うとぞっとしますね。

そんな機会は一生おとずれないでしょうけど。

その他にも、一人で階段を登ったり降りたり、車道に出ようとしたり、

ヒヤッとすることだらけです。

子供は何が危険なのか、その先にどんなことが起こるのか、

予想ができないから、怖いもの知らずである場合が多いとは思うのです。

でも、保育園の他の子より、やっぱり怖いもの知らずだと思うのです。

前述の羊事件のとき、

他の子はモルモットやウサギやひよこと抱っこしたりしていて、

羊に体当たりする子なんて1人もいなかったんですから。

好奇心が強いというか、向こう見ずというか、

どんな大人になるのか心配であり楽しみでもあります。

そして、確実に遺伝だなあ、と思うのです。

そんな娘ですが、最近、「こわい」という言葉を覚えました。

実際には「こわい」と言う機会が今までなかっただけなのかもしれません。

とにかく、「こわい」と表現したときには、

この子にも人並みに怖いという感情があったんだ、

よかった、とほっとしました。

しかし、その「こわい」の対象が、

体長10cmのプラスチックの人形なのです。

おそらく、マクドナルドのハッピーセットのおまけと思われる、

モンスターズインクのマイクの、ぜんまい式の人形です。

ぜんまいを巻くと、一つしかない目を瞬きさせ、手を振るのです。

世の中には、大型犬とか、11階と12階の間の踊り場とか、

ガスコンロとか、割れたガラスとか、酔っ払いとか、

怖いものは色々あるのに。

なぜ初めての「こわい」がこんな小さな人形なんだろう。

本人にどこがどう怖いのか教えてもらいたいのですが、

それはまだ無理です。

それに、怖い理由というのは大人でもなかなか説明が難しいことが多いですよね。

地震や火事が怖い人は多いけど、虫が怖い人、魚が怖い人、犬が怖い人、

それぞれきっと別の理由で怖がってるんですものね。

保育園の他のお母さんの話では、最近子供がおばけを怖がると言っていたので、

保育園でおばけが怖い本でも読んでもらってるのでしょうか。

それで、一つ目のおばけがこわくなったのでしょうか。

そのうち保育士さんに聞いてみたいと思います。

ただ、父親としては、「こわい」という感情が芽生えてくれて一安心です。

これから少しずつ、

高いところや熱いものが危険だと覚えていってくれたらいいな、と思います。

できれば、高いところが怖くて怖くて仕方ない子になってほしいです。

僕は高所恐怖症です。

観覧車にだけは乗りたくないのです。

ついでに、月謝の高い習い事とか、松茸とか、私立校とか、ブランド物とか、

怖がる子に育ってくれると父は安心です。

まんじゅうは別に怖がらなくてもいいです。