産まれたころからお臍が出ています。そのうち引っ込むから大丈夫といわれていましたが、7歳のいまも出ています。女の子ですし、このままでは可哀そう。あまり引っ込まないようなら手術が必要と聞きましたが、いつ頃、どのように判断すればよいでしょうか?(45才/主婦)

 

赤ちゃんは、母さんのお腹の中にいるときは臍の緒でお母さんから栄養をもらっています。

生まれてからはその必要がなくなりますので臍の緒は脱落し「臍」に変わります。

臍に相当する部位は、

おなかの外側から順に皮膚→筋膜→腹膜と呼ぶ膜状の組織に覆われています。

出生時にふさがるはずの筋膜の穴があいていて、

腹膜と皮膚に包まれた腸が飛び出てくる状態を臍(さい)ヘルニアといいます。

多くのお子さんの場合、筋膜の穴(ヘルニア門)は1歳までの間に徐々に閉じていきます。

しかし1歳を過ぎるとヘルニア門が閉じる可能性が低くなり、

2歳になるとほぼ期待できません。

1歳までにヘルニア門がふさがらないお子さんは

手術が必要であるというのが標準的な考え方です。

ご相談のお子さんの場合は次の二つのケースが考えられます。

①  ヘルニア門は閉じているが、臍ヘルニアが大きかった時期に引き伸ばされた皮膚があまって盛り上がっている。

②  ヘルニア門がまだ閉じておらず、「臍ヘルニア」の状態である。

いずれにしても現在7歳ですから、専門医(小児外科)を受診することをお勧めします。

よくご相談になってみてください。

 

★回答者……

DSC_9217小児科医師/小野元子先生
1949年生まれ。千葉大学医学部卒業。小児科医。千葉大学医学部付属病院・国保松戸市立病院・国立国府台病院(現独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院)・船橋市立医療センター勤務の後、1993年に小児外科医の夫と新松戸で「おのクリニック」開業。診察室での診療だけでなく学校医、保育所嘱託医などを通し地域医療に携わっている。日本小児科学会認定小児科専門医。松戸市医師会公衆衛生委員。松戸市小児科医会代表幹事。松戸市子ども子育て会議委員。