2歳の娘のテレビ視聴時間の長いことが悩みです。おとなしくさせておくため、ついテレビを見せていたら、今ではテレビがついていないと大泣きするように。情緒面でも、視力面でもよくない気がしますが、食事作りなど家事をするときはやはり便利。ジレンマに悩んでいます。(37歳/主婦)
テレビ番組の中には、子供の発達や興味、関心を理解して作られているものもあります。
「テレビを見せているお母さんが悪い」といった強い罪悪感は持たなくてよいと思います。
ただ、確かにあまり長時間見せ続けることは良くないように思います。
なぜよくないのでしょうか?
1つは、テレビに映し出される人や物とは、
双方向のコミュニケーションがとれないということがあります。
テレビの中の人物が、子供に向けて語り掛けてくるような時に
見ている子供がいくら返事をしても受け取ってもらえず、
子供の声や考えに共感してもらえることもありません。
また聞こうとしていない時に、興味のない音が四六時中流れていると、
感覚を遮断してしまいます。
いわゆる「聞く耳をもたない」「右から左に受け流す」という態度が
身についてしまいます。
お母さんが忙しくて手が離せない時、
ついテレビに子守りをさせてしまうこともあるかと思いますが、
そんなときは「これ面白いね」「見て、見て」「どうなるのかな?」など、
お子さんと会話したり、一緒に考えたりすることをお忘れなく。
その一方で、時にはテレビを消して、好きなことに没頭し、
遊び込む場面も用意してあげてください。
「テレビも面白いけど、人と関わって遊ぶことや、
本物に触れ合って遊ぶことのほうがもっと楽しい!」
そんなふうに感じられる人に育ってほしいと願っています。
★回答者……
しんまつど幼稚園園長/寺田美子先生
1963年生まれ。十文字学園女子短期大学幼児教育学科卒業。聖徳大学大学院教職研究科教職実践専攻修了。現在学校法人松本学園新松戸幼稚園園長、及び聖徳大学、杉野服飾大学非常勤講師。日本保育学会、日本教材学会、国際幼児教育学会、日本フルート協会会員。日本音楽教育メディア学会。