4歳の息子が指しゃぶりをやめません。眠くなったときや怒られたときに始まります。指しゃぶりを続けると前歯が出てくると聞いたことがあり心配です。やめさせる方法はないでしょうか?(31歳/主婦)
指しゃぶりは、吸綴(きゅうてつ)反射といい、
口に触れたものは何でも吸う赤ちゃんの本能的な
機能から起こる行為といわれています。
ただ、4歳を過ぎても続いていると、
いろいろな弊害が出てくることがあります。
代表的なのが開咬です。
写真のように奥歯は噛んでいるのに、
指をくわえている前歯の部分が開いて噛みあわなくなってしまいます。
さらに、長時間にわたって強い指しゃぶりが続くと、
上顎の骨まで変形することがあります。
4歳前でも開咬状態になっているときは、早めにやめさせてあげたいものです。
やめさせる方法としては—。
苦み成分を配合した薬を指に塗る方法や、
指サックといった防止グッズも販売されています。
また、歯科ではハビットブレーカーと呼ばれる装置を口腔内に装着することもあります。
しかし、これらは半強制的に指しゃぶりをやめさせるものです。
最終的な手段と考えてください。
「指しゃぶりしてはダメ」と、日常的に口やかましく言うことは、
逆に子供に指しゃぶりへの意識を刷り込ませてしまうことになります。
親はそうした言葉を意識して口にせず、日々を過ごしてみましょう。
日常生活での手遊びなども効果的です。
また、夜寝るときは絵本を読んであげたり、手を握ってあげるなど、
指しゃぶりに向かいそうな意識を他にそらせてあげることで、
自然にやめる場合も多いものです。
指しゃぶりしながら寝付いた場合は、そっとはずしてあげましょう。
それでもやめられない場合は、歯科医にご相談ください。
1953年東京都生まれ。1979年、北海道大学歯学部卒業。
北海道大学歯学部小児歯科学講座入局。1984年、新松戸
で「小児歯科ポプラ診療室」を開業。日本小児歯科学会認
定小児歯科専門医。