質問:3歳2カ月の男の子。自分が好きなお友達に対するのと、嫌いなお友達に対するのとでは、態度がまるで違います。たとえば、自分のお気に入りのおもちゃを取られても、好きなお友達だと「いいよ」と寛大に譲れるのに、嫌いなお友達に対しては、いきなりパシッと叩いたりします。性格にちょっと問題があるのではないかと心配です。


誰とでも仲良く遊ぶことができる子に育ってほしいという、お母さまの願いはよくわかります。

でも3歳頃のお子さんは、自分の社会や人間関係が広がっていく時期を迎えています。

心が安らぎ信頼できるお母さんなどとの関係のほかに、周囲の友達や大人に気がつき、

関わりをもって、少しずつ人間関係を広げていこうとします。

好きなお友達ができたのでしたら、第一歩を踏み出したということ。

これから幼稚園など集団の中で生活をしたり遊んだりしながら、

どんどん人間関係が広がりそうですね。

その中で、お母さまが気にしておられるような、自分の思いをうまく言葉に表現できなかったり、

気持ちの整理がつかず手がでてしまったり…などという場面もあるでしょう。

時には周りの大人が仲介役になったり、気持ちを受け止めて代弁者になったりすることも必要です。

こうしたぶつかり合いや葛藤などの経験を通して、人と関わる力が育っていきます。

 

★回答者……

新松戸幼稚園H150しんまつど幼稚園園長/寺田美子先生
1963年生まれ。十文字学園女子短期大学幼児教育学科卒業。聖徳大学大学院教職研究科教職実践専攻修了。現在学校法人松本学園新松戸幼稚園園長、及び聖徳大学、杉野服飾大学非常勤講師。日本保育学会、日本教材学会、国際幼児教育学会、日本フルート協会会員。日本音楽教育メディア学会。