久し振りに那須に出掛けていった。というのも、

那須のサ高住(サービス付き高齢者住宅)で暮らしていたこの6年間、

私は、あまりにいろんなことをやってきてしまったようで、

その後始末が、かなりの大仕事になっているのだ。

とくに一番大きなことは、原っぱを私が単独で借りてしまっていたということ。

その原っぱには、今やガーデンハウスが四戸も建っている!

さらに、さらに……

野外舞台やら座席用のベンチなども作ってしまっている。

それらをどう処理する?

荷物などをどう整理する?

この原っぱを今後どう維持し、どう運営する? 

などなど。つまり私は、那須の小さな原っぱの小屋主になっているわけで、

「ああ、私って、なに考えて、なにやってきちゃったんだろう!」

と、ため息が出る。

つまり、サ高住のもと仲間たちときちんと相談し、決めなければならないこと

が山ほど残っている、ということなのだ。

いずれも「はい、私はやめました」では済まないことのような気もする。

と、思いつつ、原っぱに呆然と立ち尽くしているうちに、

次第に懐かしさが怒涛のようにこみ上げてきた。

この原っぱの野外舞台では、

入居者全員で人形劇の公演をやったりもしたわけで……。

さらに、昔、私が子連れで暮らしたことのあるサーカスの知り合いたちが来て、

ピエロの亀ちゃんがパフォーマンスをやってくれたりもしたわけで……。

つまり私は、かなり無謀で派手なことをやってきてしまったのだと思う。

私は、なにかを思いつくと、実行せずにはいられない性格で、

そのことが私の人生を常に混乱させてきたのだ、と思う。

おかげで、いまや、頭の中に浮かんだイメージが膨らみ始めたりすると、

私は、自分がまたなにかをやらかすかも、と不安になるほどだ。

いうなれば、それは私の「ビョーキ」なのだと思う。

でも、よくよく考えれば、

私はすでに老年期に突入し、エネルギー枯渇の事態を迎えている。

ここを乗り切りさえすれば、

治りそうもなかったこの「ビョーキ」もそろそろおさまっていくにちがいない。

そう思うと、一方では、ほっとする気分の私でもある。

そう、ここを乗り切りさえすれば……

きっとなんとかなる……。