古墨の幽玄さ

今月は「墨」にスポットを当てました。随分と風変わりな形をしていますが、

これは古墨といって清朝時代に造られたものです。

ただ実用のためだけに造られた墨とは違い、

文人たちの嗜好と愛玩をも兼ねた風趣に富んだものがあります。

形だけでなく、材質や製法にも吟味と工夫がなされて造られた銘墨となると、

たやすく使用することはできず、

時代を超えて珍重され、文房中の至宝とされてきました。

「墨」は「黒」色というイメージがありますが、

この黒い墨も使い方によっては五彩を表すことができます。

墨は魔物とか、霊力があるといわれる所以でしょうか。

古墨の珠玉は「程君房」や「方于魯」といわれていますが、

ここに示した壽老人の形(表紙左/長さ15・5㎝×横6㎝)、

瓶型の墨(同右)もかなりの年代を経ていると思われます。

こうした古墨を珍重した一人、蘇東坡は

「人が墨を磨るに非ず、墨が人を磨るなり」と、

墨の寿命が所有者より永らえることを皮肉り、自らを笑ったということです。

ステイホームの続く折、文机で静かに古墨を磨ってみては如何でしょうか。

香が書斎に満ち、硯面には縞模様が広がります。

漆黒の墨汁の上に顔を近づけて見ると、

鏡のような面に自分の顔が映り出されます。

こんなひと時も必要なのでは……。

6月の目次

四季折々 水無月

想定外の日々かもね(47)久田 恵

「やぶれかぶれの無責任プロジェクト、はたして…」

弁護士ノート(22)坂爪 友洋「遺産分割について」

特集 コロナ禍になに思う?

おだいじに(122)石井 秀幸

「新型コロナの抗ウイルス薬やワクチン、なぜすぐに作れない?」

軽やかに生きる法則(135)小倉 克夫「コロナ禍で思うこと」

ホームドクターの健康相談室(209)栄原 智文

[診察問答]生活「不活発」病を予防しよう

こころの診察室(217)畑野 民栄「他者との距離」

シニアライフ考(51)石坪 直樹「ビタミンDで免疫力をアップ」

人のかたち/骨のはなし(19)村田 亮

「整形外科医からみた自粛生活について」

新松戸地図

協賛店からのお知らせ

暮らしの電話帳 広告協賛店一覧

しんまつど幼稚園 第14回食育コンテストで「奨励賞」受賞!

Coffee Break(18)横田 尚己「ペルー」

求人/募集広告

関さんの蔵通信(99)伊勢 眞志

名主はつらいよ −夢想の記−

不思議彩事記(460)流山児 祥

「未知のウイルスとの闘いが続く2020ニッポンの春」

漢方薬屋の漢方談義〈新型コロナ特別版〉横尾 洋

「漢方の観点から考える新型コロナウイルス感染症〈その2〉」

この絵本、おススメです!(最終回)嶋田 小夜子

おもちゃの病院から(154)吉田 徳三「フイゴの製作」

読者の広場/「ヨーロッパに憧れて③」大野 和子

新松戸東パークハウス写真クラブ(180)わたしの視点 秋山 滋

「さようならコロナ こんにちは平穏な日々」

今月の俳句 短歌 川柳

こちら、新松戸パトロール隊!(30)池田 武司

「通学が始まります 子供たちを見守ってください」

まち情報 よこ組

情報交換

編集室

今月の運勢(86)天道 象元