どうしたのか、ここ一週間ほど頭の中がパニック状況になっていた。
うまく機能していない………そんな感じなのだ。
よくよく考えてみれば、
6年ほど暮らした那須での日々にピリオドを打ち、
東京のもと自宅に戻ってきてからの新しい日々……。
その変化は、自分が考えていた以上に大きかったようだ。
もと自分の家に戻っただけ--とはいうものの、
こういう環境の変化に馴染むには、それなりの緊張があったのだろう。
気づかなかったそのストレスが、今ごろになって一気に出てきたようだ。
若いときと違って、こうした生活環境の大きな変化は、かなりストレスになる。
それは、自分が思っていた以上のものだったのかもしれない。
よく、一人暮らしの親を心配した娘や息子が、自分の住んでる街に呼び寄せたところ、
環境の変化についていけない高齢の親の認知力が衰えた……
なんて話を耳にしてはいたけど、
そして、そんな話を、これまで娘の立場で聞いていたのだけど、
気がつけば、私は後期高齢者と呼ばれる側にいる。
心配される親のほうの立場なのだ、いつの間にか……。
年を重ねれば、自然とその年齢に応じた落ち着きというか、分別というか、
そういうものが備わってくると思っていたが、
どうもこれは大きな間違いだったらしい。
相変わらずの変わらない「ワタシ」がいる。
そして「変わらない」のは、私ばかりではない。
東京の自宅に戻って以来、昔の友人が次々と遊びにやってくるのだけれど、
どういうわけか、みな、変わらない。
すでに子育ては終了。
さらに夫を亡くした人も少なくない。
「一人になっちゃったしねえ…」と言いながら、
かなり気ままにそれぞれが暮らしている。
東京に戻って以来、なぜかそういう、もと友人たちと再会する機会が増えた。
いずれも二十代に出会った友人たち。
半世紀前に出会い、しかもその後、ずっと付き合っていたわけではなく、
それぞれが異なった人生を生きてきた……。
そんな彼女たちではあるが、会えば、一瞬のうちに長い空白の時間を飛び越し、
気持ちが通じ合う。青春期を共にした関係は、過ぎ去らない。
会いたくなったら、電話をして、会いに行ける友だちがいる、
それはなんと貴重でシアワセなことだろうか、としきりと思うこのごろだ。