このごろ、時の流れが速い。

速すぎる……

そんな中で、

最近の私には、自己判断を求められることが、次々と起きている。

どうしよう……と困惑しているうちに、どんどん時間が経っていく。

つまり、自分に自分で「どうする?」と訊いてもなかなかきっぱりした決断ができなくなっている

ということらしいのだ。

じつは、私が毎日食事に通っているご近所のシニア向けハウスには、何人かのお医者さんがきている。

その中から自分で自分の主治医を選んで相談できるようになっているのだ。

その主治医の先生に私が、

「最近、もの忘れがひどくなったみたいで……」と相談したら、

「じゃあ、MRIをやってみたら?」ということになった。

つまり、脳の画像を撮って、私の脳が目下、どんな事態になっているかをまず調べてみたらいい、

ということになった。

そして、その結果がなんとも微妙だった。

「認知症にはなってはいないけれど、その一歩前ぐらい、

いや、さらにその一歩前ぐらいかなあ……」と。

そう言われて、どうしようかと思い、判断がつかないまま息子に相談してみた。

文献派の息子は早速あれこれ調べて、言ってきた。

彼曰く「認知症を治す薬はまだない。が、進行を遅らせる薬はある、あるけれど、

その薬を飲むと後遺症として脳出血を起こす恐れがある。

その確率は、そう高くはない。8・6%ということだよ」

「ふ~ん、で、あなたならどうする?」と訊いてみたら、彼が言った。

「僕なら薬を飲む。認知症になったら、あのとき飲んでおけばよかった……

ときっと思ってしまうから」と。

なるほど、とは思うが、自分としては、どうしたいか? やっぱり分からない。

考えれば考えるほど、もうどうでもいいかなあ、という気持ちになったりもしてしまう。

でも、やっぱり自分のことなんだから、自分で決断し、薬を飲むなり、なんなり、

自分でなんとかしなくてはダメなんじゃないのか? 

そんな問いをひとりで繰り返したあげく、一か月前、私は電車に乗って、

新松戸まで出掛けて行ったのだ。

月刊新松戸の家田さんに会って話して、

一人で家に戻ってくる、ということにチャレンジしたのだった。

新松戸では、思いがけずいろんな活動をしている方たちに会った。

たくさん友人ができたような楽しい気持ちになった。

ごたごたしていた頭の中もなぜかすっきりして、

私はまだまだ大丈夫! と思えてきた。

確かにこれまでも、これからも、きっといろいろあるにちがいないけれど、

前に向かって、頑張って生きて行こう、なあんて思ったのだった。