90kgの十字架を担ぎ鞭で打たれながら…

 

5月に入って、気温が日によっては40度近くまで上がりましたが、

10日の母の日の直前に北から前線が通過。

明け方には、一挙に6度まで下がりました。日中でも12度と冬に逆戻りで、

慌ててジャケットに手袋まで取り出しました。

4月14日金曜日、184回目のイースター(復活祭)が、宗教裁判が行われる

メキシコ郊外の町から、磔にされる丘の上まで、およそ20万人もの

観衆に見守られながら無事に終わりました。

キリストに扮装した人が、重さ90‌kgの十字架を担ぎ、

鞭で打たれながら群衆をかき分け、3時間以上かけて丘を登り、

最後は十字架に縛られる光景は凄まじい感じです。

それにしても、50年ほど前は観衆も少なく、

裁判の模様を舞台脇から撮影できたことを思うと、

この国の人口増加の速度を実感します。

マフィア、軍隊、警察、三つ巴の銃撃戦が4回も

 

4月15日、逃亡中の前ベラクルス州知事が、

グアテマラ南部のリゾート地で逮捕されました。

代理の州知事の助けでヘリコプターを使って逃げてから185日目でした。

昨年、メキシコで一番厳重な監獄から1500mものトンネルを掘って

脱獄した麻薬王も180日目に逮捕されましたが、

重要犯逃亡の新記録などと言われています。

現在分かっているだけでも112の他人名義の銀行口座、

35もの幽霊会社のほか、国内からアメリカ、スペイン、コスタリカなどにも

不動産があるそうです。どんな心境でこれほど多額の公金を着服したのでしょう。

結果的に逃亡生活となったわけですが、快適な暮らしではなかったはずです。

メキシコでは、他の州の前知事がイタリアで逮捕されたり、

いまだに逃亡中の関係者が何人いるのか分かりません。

治安もますます悪くなり、3月に殺された人は2256人と最悪の状態です。

メキシコで死刑が行われないのは、裁判官が買収されるなどして

信用がないからだ、とも言われます。

メキシコ東北部の、レイノーサでは、先週からマフィア同士の縄張り争いと軍隊、

警察の三つ巴の銃撃戦が4回も起き、夜間外出禁止の厳戒態勢となっています。

中央部のプエブラ州では、送油管に穴を開けてガソリンを汲み出し、

市場で市価の半額以下で売られていたそうです。

軍隊が出動したところ、子供たちを盾に抵抗し、兵士が負傷する事件も起きました。

犯人は逮捕されましたが、仲間が道路を封鎖して釈放を迫っています。

政府は今週、3000人の軍隊を派遣するそうですが、

送油管に穴を開ける盗みはメキシコ各地でかなり前から起きているのに、

なぜ急に大騒ぎになったのか分かりません。

来年の選挙を目指して政治的目論見があるのではないでしょうか?